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ビジネスマン必須スキル。イライラしないための「スルー力」

誰にでもできるアンガーマネジメント③

スルー力の身につけかた

 スルーの仕方を身につけることで、ストレスを溜めない方法もあります。
ところで、「スルー力が高い」というと、あなたはどんなことを思い浮かべるでしょうか。

 何事にも動じない強いメンタルを持っているということでしょうか。あるいは、何を言われても、ひょうひょうとかわすことができるような能力でしょうか。

 アンガーマネジメントが教える、イライラしないための必要なスルー力とは次のようなものです。

「相手のことを理解はするが、同意はしないと考えられること」

 相手が怒っている理由は理解をするが、自分はそうは思わない。自分とは考え方が違うのだなと自然に考えられることです。

 例えば、自分にとっては理不尽とも思えるような怒り方をしてきた上司がいたとします。

 人は、自分が信じている何かしらの「べき」が裏切られると怒ります。
「待ち合わせ時間は必ず守るべき」であり、「同じミスは二度と犯さないべき」。

 怒っている人が上司であれば、その上司は自分が信じている何かしらの「べき」が裏切られたので怒っているわけです。

 そしてあなたは、少なくとも怒っている上司の「べき」を理解することはできます。ただ、自分はそうは思っていないので、怒る気持ちはわかるが、自分はそうは思わないので同意しないと受け流すことができます。

 ところが、スルー力が高くないと、相手が怒っていることにいちいち引っかかって、つられてこちらも機嫌を悪くします。

 スルーをするというのは、決して相手を無視することではありません。人に対する許容度が低いと、たとえ無視しようとしても、相手の声を頭の中で消すことができないので、繰り返し思い出してはイライラします。

 スルー力を高めるということは、人に対する許容度を上げるということです。また、自分の価値観を大切にするのと同じように、他の人の価値観も尊重することでもあるのです。

<『誰にでもできるアンガーマネジメント』より構成>

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安藤 俊介

あんどう しゅんすけ

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。アメリカに本部のあるナショナルアンガーマネジメント協会では、15名しか選ばれていない最高ランクのプロフェッショナルに日本人として唯一登録されている。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」における日本の第一人者として全国で講演、研修などを行っているほか、新聞・雑誌への執筆テレビ・ラジオへの出演も多数。近著に『アンガーマネジメント入門』(朝日文庫)、『○×まんがスッキリわかる もう怒らない本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。


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  • 安藤俊介
  • 2017.10.10